Sports Nutrition トレーニング中の体脂肪利用エネルギーについて
 身体運動(骨格筋の収縮)は,そのためのエネルギーをATPの加水分解から得られます。
 ATP→ADP十Piの反応により約7Kcalのエネルギーが放出されます。運動によリATPが消費され、ATP濃度が減少するとこの反応は逆方向に進みます。
 ATPの再合成に必要なエネルギーは、クレアチンリン酸、脂肪や糖質などの分解で供給され、脂肪や糖質分子の炭素鎖(アセチルCoA)から分離した水素分子のエネルギーは、細胞内に存在するミトコンドリア内の電子伝達系とATP合成酵素の働きにより効率的にATPの合成に使われます。
 酸素を利用したエネルギー合成に関与する一連の酵素タンパク質を酸化酵素と一般的に呼びますが、炭素分子を処理をするもの(TCA回路の構成メンバー)と電子の接受を行なう電子伝達系を構成するものに大きく二分されます。両者は共役(互いに連動)して糖や脂肪からエネルギーをとりだしATPを合成します。TCA回路とは二炭素のアセチルCoAが四炭糖のオキサロ酢酸と結合し、六炭糖のクエン酸を生じ、一連の化学反応の結果、再度オキサロ酢酸にまで分解されるまでの代謝過程でクエン酸回路とも呼ばれています。
 アセチルCoAとなって回路に流入した炭素鎖由来の水素分子は、補酵素であるNADあるいはFADを還元し、NADH、FADHを生じる形で受け渡され、さらにその水素分子が電子伝達系のATP合成のエネルギーとなる形で共役が起こります。
 運動を持続するにはATPを継続して供給する必要があリます。六炭糖である糖類(グルコース)は三炭糖である乳酸まで分解される過程でATPを2分子合成する(グリコーゲンの分解では3分子)がこの過程は必ずしも酸素を必要としません。脂肪は炭素鎖が2個ずつ切断され(β酸化)、二炭素の活性化された分子であるアセチルCoA生成までの代謝経路ではATPは合成されません。アセチルCoAがミトコンドリア内でTCA回路で分解される過程でのみATPを合成しますので、脂肪の分解は酸素が供給される状態でのみ起こります。
 糖と脂質の相対的な利用度は、脂肪由来のクエン酸の上昇あるいはATP/ADP比により調節され、脂質分解の亢進によりクエン酸濃度が上昇すると解糖が抑制されます。摂取した食事中の糖・脂質比にもよりますか、安静状態およびLT(平均的な体力の人で50%Vo2maxに相応する運動強度までは糖と脂質牌質で50%ずつ、それ以上の強度では脂質利用は徐々に減少します。ミトコンドリアが豊富に存在する赤筋をおもに使う50〜70%Vo2max強度の早足歩行から軽いジョギングなどの運動が、脂肪を分解させる運動として効果的です。
 エネルギー源として利用される脂肪は3つの脂肪酸がグリセロールと結合したトリグリセロールTG(中性脂肪)で,筋細胞中にも少量蓄積していますが、大部分は脂肪組織中(皮下脂肪・内臓周囲脂肪など)の脂肪細胞の中に貯蔵されています。脂肪組織のTGは,脂肪分解酵素(リバーゼ)により遊離脂肪酸(FFA)とグリセロールに分解されます。
 LPL活性、HSL活性はインシュリンで抑制、カテコールアミンで亢進します。FFAは血中アルブミンと結合して運搬され 筋細胞内受容体を介して取り込まれ カルニチンによリミトコンドリア内に取り込まれ、代謝中間体であるアセチルCoAを経て、以後TCA回路にて分解されます。したがって運動強度依存的なホルモン応答と血流配分が脂肪組繊のTGの分解に影響していきます。

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