Yanzz Sports Nutrition Q&A ご質問にお答えします
● 体脂肪を減らすトレーニングについて
[質問]
 選手なのですが、シーズンが終わって体脂肪量が増加しています。トレーニングメニューについてどのような考えで作るのでしょうか?

[回答]
◇体脂肪を減らすためのトレーニングについて

 体脂肪(Body fat)を減少させるためには、運動中や運動後の回復期に糖質ではなく脂質(脂肪酸)をエネルギー源として有効に燃焼させることが必要になります。
 運動開始初期や最大酸素摂取量(VO2max)の90%を超えるような短時間の激運動では、高エネルギーリン酸系(クレアチンリン酸−ATP系)や、血中と筋グリコーゲン分解に由来するブドウ糖が利用されて、脂質はほとんど利用されません。
 脂質が燃焼するには,糖に比べて時間がかかります。これは,脂肪組織から遊離された脂肪酸は水に溶けないため一度タンパク質と結合してから骨格筋まで運搬され、そこで再びタンパク質から遊離して細胞内に取り込まれるまでの時間が必要なことと、脂質を燃やすためには糖に比べて非常に多くの酸素を必要とするためと思われます。
 したがって,低強度で長時間の有酸素性運動(aerobic exercise)によって脂質利用の促進が期待できます。例えば、60%VO2maxの運動では糖と脂質の利用比率はほぼ同じで、強度が30〜40%VO2max程度になると、運動時間の延長にともない脂質の利用比率が大きくなります。

 一方、運動前に脂質を摂取して、血中に十分に拡散した後に各種運動強度で20分間の運動を実施すると、VO2maxの60%強度が最も速やかに外因性の血中脂質を減少させることが研究で発表されています。
 このとき、40%V02maxの運動でも脂質の燃焼には有効となりますが、運動強度が相対的に低いため単位時間あたりに消費されるエネルギー量が少なくなり、結果的に血中脂質の低下は60%強度よりも遅れることになります。
 効率を優先すれば運動強度は60%VO2maxに設定し,可能な限り長時間継続すればよいことになります。この運動強度では有酸素性能力も十分に高めることができます。しかし,60%Vo2maxの運動を長時間行なうことはかなり厳しいことです。
 そこで,長時間継続することが容易で,運動時間の延長にともなって脂質の利用比率が高まる50%V02max程度の運動の方がより実際的といえます。とくに,高齢者や低体力者の健康・体力づくり、あるいは高脂血症や高血圧、糖尿病などの有疾患者の運動療法では、安全面を最優先して40〜50%VO2maxの運動を30〜60分程度行なうとよいと思います。

 *VO2max とは:
 VO2maxは、運動の負荷を上昇させても酸素摂取量(VO2)がそれ以上に増加しない、つまり運動時の酸素摂取能力(心拍出量×動静脈酸素較差)の上限を示します。

 アメリカスポ−ツ医学会は成人の場合最大心拍数(210−年齢)の60〜90%、又はVO2maxの50〜80%の持久運動を20〜60分、週3〜5回を薦めています。

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