Sports Nutrition フラックスオイルって知っていますか?
● 注目されはじめた亜麻仁油(フラックスオイル)
 亜麻は人が最も古くから栽培した植物の一つといわれています。亜麻の茎からは麻の布が、種からは亜麻仁油がとれます。
 西暦紀元前5000年にはすでにバビロンで栽培されていたらしく、栽培の様子が壁画に描かれているのは有名です。
 紀元前3〜4000年のものと推定されるスイスの遺跡からは、亜麻の種と亜麻の繊維で織った布がみつかっていますし、古代インドの経典には、最高の精神状態になるには、ヨガの行者は毎日亜麻の種を食べなくてはならないと書かれています。
 日本に伝わったのは元禄の頃のようで、一時は北海道などでも栽培されていましたが、最近はまったく栽培されなくなった植物が、いまたいへん注目されています。
 栄養学の進歩によって健康なカラダを作るために極めて重要な栄養素であることがWHOの報告でも発表されています。
 「亜麻を日常食べるようになったところはどこもみな健康状態がよくなっている」と、マハトマ・ガンジー氏が発言されています。(インドでは亜席の種をそのまま食べたり料理に加えたりしています。) 
 亜麻仁油は、脂肪摂取のバランスが悪いために(オメガ3:オメガ6比)生じる生活習慣病になる体質を改善してくれるための理想の必須脂肪酸源となっています。
 また、こういう栄養素は他にはほとんど存在していません。
 現在、亜麻の主産地はアルゼンチン、インド、アメリカの三国で、カナダ、ドイツ、スウェーデン、フランス、オランダ、オーストリア、ポーランド、中国等です。

 亜麻の大きな特徴の一つは、やせた土地には育たなく、よい土壌でないとできないことです。亜麻の種のことを亜麻仁といい、その亜麻の種から絞った油を亜麻仁油といいます。(英語ではフラックスシードオイル)
 この油の新鮮な絞りたては深い黄金色をしており、香りはナッツのような軽いよい香りです。
 この油はレシチンをふくんでいて、それが油の消化を助け、レシチン自体が体の健康に寄与しています。カロチンとビタミンEも含み、保存中の酸化を防ぎ、体内に入ってからの酸化も防いでくれています。
 しかし、精製した油の場合には、ビタミンやレシチンはとり除かれてしまうので、無精製の亜林仁油を選ぶ必用があります。
 無精製の亜麻仁油でも、軟らかく口当たりのよい軽い油です。サラダに合っていて、豆のサラダにこの油を使うと、非常に健康的な一品になります。
 私のオススメは、納豆に利用して食べることです。これだと納豆の嫌いな人にもおいしく食べれます。

フラックス・シード・オイル
 栄養学の新しい情報に乏しいわが国では亜麻仁油はペンキや絵の具の溶剤、リノリウムの原料などにしか利用されていませんが、ヨーロッパ・アメリカの健康食品店では「ただ絞っただけ(精製していない)」の良質の亜麻仁油が販売されています。そして、サラダ油は亜麻仁油ときめている人が多くいます。
 特にアメリカの女性には、リグナン(日本食ではゴマから摂取している栄養分)を亜麻仁油から摂取できるので多く利用されるようになっています。
 オメガ3は最も酸化しやすい脂肪酸です。αーリノレン酸の反応の早さはリノール酸の五倍で、加熱する料理には絶対に使うべきではありませんし、容器に入った状態でも時間がたつと変質していく脂肪酸です。つまり商品としての賞味期間が短いものです。
 ほとんど生の食品と同じ感覚で使わなければならず、無精製無添加のよい商品ほど酸化しやすいので冷蔵庫で保管する必要があります。
 商品は油を絞る過程で光、空気、熱による変化をゼロに近づけたオメガフロ・プロセスという製法でつくられており、原料には有機無農薬栽培の亜麻のみが使われています。
 ガラスは茶色の瓶でも波長の長い光を通して油を変質させるため、容器にはまっ黒のプラスチックが採用されています。プラスチックの容器に油を入れておくと、油にプラスチックの成分が溶け出すものがほとんどですが、そのおそれのまったくないプラスチックが三種類あって(アメリカには商業目的で生産されているプラスチックが168種類ありますが、油を入れて安全なものは3種類しかありません)、アメリカで製造されたプラスチックボトルを使用しています。
 なお、英語では亜麻のことをフラックスといい、亜麻の種は一般にリンシードといっています。そのため亜麻仁油のことをリンシード・オイルと呼んでいます。しかし、まだ多くのアメリカ・とカナダの人たちにはリンシード・オイルといっても大多数の人が頭に浮べるのはペイント用の油です。そのために食用として区別するために、特別の製法でつくり、特別の容器に入れた亜麻仁油のことをメーカーは、ペイント油および、そのレベルの油とはっきり区別するためにフラックス・シード・オイルまたは略してフラックス・オイルと呼んでいます。

皮膚の健康にも役立ちます。
 必須脂肪酸の重要性は自分の目ではっきり確めることができます。肌が乾燥して薄くはがれたり、かたくなったりしているとき、また洗剤で油気がとられて手が荒れているとき、必須脂肪酸を高率にふくむ油(フラックス・シード・オイルが一番よい)を塗るとかんたんに吸収されます。しかし、オメガ9のオリーブ油は少ししか吸収されません。
 また、バターやクリームやラードなどの飽和脂肪はほとんど吸収されませんし、石油からつくられるワセリンの場合にはまったく吸収されません。
 このことは必須脂肪酸が皮膚にとってなくてはならないものであることを示しています。皮膚の健康はコラーゲンと呼ばれるタンパク質と必須脂肪酸が結びついていて保たれており、皮膚が乾燥して荒れているのは必須脂肪酸が不足している状態になったからです。そういうときに必須脂肪酸をふくんだ油を塗れば皮膚が直接吸収すると思われます。
 もちろん食事で十分に摂取されていれば、カラダの必要としている個所に脂肪酸が送られますので、肌が荒れていることは必須脂肪酸の摂取量が足りないと思っていいです。すべすべしたベルベットのような輝いた肌は、必須脂肪酸を不足させない食事が長く続いていることの証明となります。
 母乳にふくまれている脂肪酸の8%以上を必須脂肪酸が占めていますが、授乳を止めてベビーフードに切り換えたとき、体のあちこちに湿疹のようなものが出てくる赤ちゃんがいるのは、ベビーフードに必須脂防酸が十分にふくまれていないからのようです。
 タンパク質だけは十分にふくまれており、それと結びつかなくてはならない必須脂肪酸が欠けているところに問題があるようです。
 そういうときに赤ちゃんの手首に必須脂肪酸を高率にふくんだフラックス・シード・オイルをすり込んでやると症状が軽くなります。手首から吸収された油が必要としている個所に運ばれ、皮膚の健康がとり戻されていくからです。

肥満も防ぐ必須脂肪酸
 肥るのを気にしてサラダにかける油も控える人がいますが、サラダは必須脂肪酸をとるチャンスと考えたほうがよいのです。減らさなくてはならないのは飽和脂肪酸であって、必須脂肪酸はサラダのような加熱しない料理でとるべきです。
 肥満に関していえば、サラダに油を加えることの利点はいくつかあります。油は消化に時間がかかるため、油が加わっていると食後の空腹感がおきるまでの時間が長くなります。それで逆に食べすぎが防げることになります。
 それに必須脂肪酸は代謝の能率を高めるので、過剰の飽和脂肪を移動させて燃やす助けをしてくれます。
 また、野菜のもっている栄養素に2つの必須脂肪酸が加わるため(それにはフラックス・シード・オイルが選択されなくてはならない。紅花油、ひまわり油、ぶどうの種油、ごま油ではオメガ6一種類だけが加わることになる)料理のもたらす満足感が増すことになります。食事に必須栄養素が欠けている場合は満腹感はあっても満足感が得られないため、もっとなにか食べたくなり結局は過食を招いてしまいます。

 結論として、サラダにはフラックス・シード・オイルのような理想の必須脂肪酸油を加えたほうが逆に肥満を防ぐことになります。
 油以外で最高の必須脂肪酸油となるのは、大豆、かぼちゃの種、くるみです。この三つはオメガ3とオメガ6の両方を比較的高率にふくんだ数少い食品です。これらを多く食べてきた伝統的な日本食のすぐれた点がここにも表れています。

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