緑黄色野菜とは
野菜は、根菜、葉茎菜などといった食用にする部分によって、分類する方法が一般的でした。しかし、いつの頃からか、栄養学的に「緑黄色野菜」と「淡色野菜」の2つに分類されるようになりました。
それは、ビタミンA(べ−タカロチン)を豊富に含む野菜があることがわかり、いろいろ調べてみると、緑黄色をした野菜にビタミンAがたくさん含まれていて、色の薄い野菜にはあまり含まれていなかったからということのようです そして、今では、色が濃い野菜のことを緑黄色野菜と呼ぶようになりました。しかし、これではあいまいなので、厚生働省が次のような緑黄色野菜のガイドラインを設けたのです。
『緑黄食野菜=100グラムに600マイクログラムのべータカロチンを含む野菜』(ただし、一般的によく食べられているトマト、ピーマンは、600マイクログラム以下ですが、緑黄色野菜に含めています)
現在、この基準内の野菜は、56種類あります。この緑黄色野菜は、あらゆる面で淡色野菜より有効成分を多く含んでいるといわれ、今、健康に気を使う人の間では大ブームとなっています。しかし、緑黄色野菜は、どちらかというと″くせの強い″野菜が多いことがわかります。
例えば、シソ、パセリはベータカロチン含有量で、1、2位となっていますが、毎日食卓に上る野菜ではありません。また、レタスのように一度にたくさん食べられるものではありません。そして、ニンジンはポピュラーな野菜ですが、子供には不人気な野菜としても知られています。体にいいにもかかわらず、緑黄色野菜が不人気なのはこういった理由もあるのです。
サラダ神話の崩壊?
多くの女性は、毎日″サラダを食べていれば健康でいられる″と思い込んでいます。そのためにか、レストランにサラダバーがあれば、美味いまずいはともかく、女性が頻繁にお代わりをしている姿が目立ちます。
しかし、このようなサラダは体にいいという「サラダ神話」は、栄養学的な根拠にとぼしい考え方なのです。
それは、サラダに利用されている野菜は、ほとんどが「淡色野菜」です。淡色野菜は、食物繊維、ビタミン、そして注目の成分であるベータカロチンの含有量が、緑黄色野菜に比べかなり少なくなっています。
サラダの定番、レタス、トマト、キュウリ、ピーマン、グリーンアスパラなどは、ほとんどべ−タカロチンが含まれていないのです。しかしサラダを食べるなというのではありません サラダはみずみずしく、カロリーも少なくて、それなりに健康にいいのですが、サラダだけではダメということです。
そこで、淡色野菜のサラダ中心の野菜摂取から、サラダと緑黄色野菜を半々ずつ食べるというバランスが必要なのです。ただ、緑黄色野菜は、外食ではなかなか食べられない野菜でもあります。しかし、家庭で食べる朝、晩の食事には、意識して緑黄食野菜を食べるように心がけることが大切です。
なぜ緑責色野菜は体にいいの?
それでは、私たちはなぜ緑黄色野菜、特にベータカロチンを必要とするのでしようか。
これまで、ベータカロチンは、その一部がビタミンAに変化して、眼精疲労、肌荒れ、風邪などの予防になるといわれてきました。あるいは、ビタミンAはガンを予防するといわれていました。しかし、今、最も注目されているのは、ベータカロチンそのものが、体内の「活性酸素」を減少させる効果があるということです。
この活性酸素とは、言葉だけからは何か生き生きした酸素のようなイメージを受けますが、とんだクセモノなのです。オーバーにいえば、人間の生命を脅かす最強、最悪の危険物質が活性酸素です。
活性酸素は、人間が生きているかぎり、全身の細胞で発生し続け、これが原因で人間に及ぼす弊害は200種類にもなります。
ガン、心臓病、脳卒中などの成人病は、ほとんどがこの活性酸素が原因なのです。しかも、タバコ、お酒、食生活の乱れ、環境汚染、紫外線の増加など、外部からよくない刺激を受けると、活性酸素が一気に増加して、ガンなどの原因となっています。
例えば、夏、紫外線によって肌荒れしますが、これは活性酸素の仕業なのです。紫外線が当たった場所に活性酸素が発生して、肌を酸化させます。そして、シミや肌荒れになるわけです。
私たちの体には、本来、この活性酸素を抑える力があります。しかし、20歳前後を境に人間は老化するので、それにつれて抑える力が弱くなっていきます。そして、40歳を過ぎたあたりに、最初の試練がきます。
また、スポーツ選手の場合には、さらに厳しい活性酸素の発生があり、これの発生を少なくできなければ重要な問題となります。 こうならないためには、外から活性酸素を抑える力を借りなければいけません。それは、活性酸素を抑える成分を含む食べ物の力です。活性酸素を抑えるものとして、これまでビタミンE、Cなどがよく知られていました。
しかし、最近、もう一つ、有効な成分があることがわかったのです。それが、緑黄食野菜に多く含まれるべ−タカロチンです。
緑責色野菜を1日にどれだけ食べればいいのでしょうか?
厚生労働省では、1日に野菜を350g食べるよう指導していますが、現在ほぼそのレベルまで到達したといえるかもしれません。しかし、緑黄色野菜は、ずっと40〜50グラムで低迷していて、最近になってやっと70〜80グラムになったといわれています。あるデパートの野菜売り場を見ても、緑黄色野菜の売り場は、全体の7分の1と極端に冷遇されています。これでは、消費者の目に入りません。どうしても、山盛りになっているレタス、キャベツ、キュウリなどに目がいつてしまいます。
また、こういったサラダ用の淡色野菜は、切って盛り付けるだけで、料理に手がかかりません。反面、緑黄色野菜は、手をかけなければ食べられないものが多いのです。こういった理由が、緑黄色野菜の摂取を妨げているのです。
それでは、緑黄色野菜は、毎日どれくらい食べればいいのでしょうか。
厚生労働省では、緑黄色野菜を100グラム以上食べる」ことを推奨し、将来は150グラムまで増やしたいといいます。また、ベータカロチンそのものは、一日600マイクログラムを摂取することが理想的としています。
*最新の研究では、ペータカロチンを単体で摂取することよりも複合カロチノイドを摂取することにより活性酸素の除去に効果があがることがわかっています。特に、αカロチン、ゼアキサンチン、ルティンに注目されています。しかし、この程度であれば、苦労はないはずです。ベータカロチン含有量ナンバーワンのシソを100gグラム食べるといえば大変ですが、緑黄色野菜は探せばけっこう種類が多いのです。
中でも、にんじん、ホウレンソウ、小松菜など比較的ベータカロチンが多く含まれている野菜を、毎日工夫して料理すればいいのですから。
最後に、べータカロチンは料理方法によって吸収率が違ってきます。たとえ、100グラムに600マイクログラムのベータカロチンが含まれていても、それが全部吸収されるわけではありません。
毎日食べる野菜の半分、150グラムくらい緑黄食野菜を食べるのが理想的といえます。 |