スポーツ選手の貧血の栄養素的な原因として考えられるのは,タンパク質不足や鉄分の不足が考えられます。例えば,血液検査でヘモグロビン量が低下していることを指摘されることがあります。ヘモグロビン量の低下はある日突然に起こるものではなく、毎日のハードトレーニングにより新陳代謝量が増大し、分解に合成が追いつかない状態が続くことにより、合成に必要なタンパク質あるいは鉄の体内貯蔵量が底をついた結果なのです。
●選手の貧血は栄養不足が原因です
久保田によれば,アジア大会の強化練習に参加した水泳女子A選手は血液検査で鉄欠乏性貧血と診断された。A選手は、強化練習のメニューを満足に消化することができず、精神的にもスランプになり,担当コーチより栄養調査の依頼を受けた。
その結果、1週間の栄養調査からはタンパク質や鉄などの血液成分の摂取が不足していたことが判明しました。そこで、特にハードトレーニングに耐えなければならない選手にとっては,貧血を防ぎ,あるいは貧血から脱出するために食生活の見直しが必要となリます。
●タンパク質と鉄を十分に摂取する(させる)
ヘモグロビンは,鉄とタンパク質が結合したものなので,食事では特に2つの栄養素を充分に摂取するようにします。タンパク質は,成人選手の場合体重1kgあたリ2gの摂取をめざすことにより,筋肉づくりが円滑に運び,貧血も防げる。しかし,日本選手の栄養摂取状況を調査すると,ジュニア選手であっても体重1kgあたリ1.7g程度の摂取レベルである。 そこで,食事では赤身の肉や魚,卵,牛乳など動物性の食品を毎食食べると良い。
鉄は,選手の場合には新陳代謝が活発になることにより、汗、老化した皮膚細胞(垢)および腸上皮細胞からの喪失が高まる。そのため、運動量の多い選手では、−般人の必要量(男子10mg,女子12mg)の2倍以上を摂取するのが望ましい。鉄は赤身の肉や魚に加え、レバー、貝類などに多く含まれる。
しかし、レバーなどジュニア選手には嫌われがちな食品も多いので,食事を作る側の工夫が必要である。どうしても食べられない時は、サブリメントを利用すると良い。
●鉄の吸収に影響するビタミンCとタンニン
鉄は、ビタミンCがその吸収を高めることが知られています。そこで、鉄を多く含む食品は,緑黄色野菜といっしょに食べることをお勧めします。一方、鉄の吸収を阻害するのが、コーヒー、紅茶、緑茶に含まれるタンニンです。貧血気味の選手は、食後にこれらの飲みものを避けて食間に飲むようにすれば問題はありません。
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