スポーツパフォーマンス向上のために、「体脂肪率」を考えよう
程よい脂肪と筋肉の指標とは
腹、尻、太腿、二の腕でたぶたぶ波打つ脂肪。完全な肥満体型から脱出するために、タイトな食事療法を実行すれば体脂肪率はだんだんと減っていきます。体脂肪率25%程度になってくると、まず最初に腹が凹み、ウエストサイズはどんどん小さくなります。さらに、食事療法プラス運動で体脂肪率17%ぐらいまで体脂肪量が少なくなると、頬の輪郭は精悍に引き締まり、なかなかにスマートな体形になります。
ここで、女性の場合はストップをかけてほしいものです。
女性のカラダのなかでは、卵巣から分泌される女性ホルモンによって生理があります。体脂肪が少なくなりすぎると、女性ホルモンの活動が抑えられ、生理不順が起こりやすくなってしまいます。正常な女性としての機能を維持するために必要な体脂肪の最低ラインは、体重の17〜25%と言われています。このことから考えると、女性の場合、健康を維持できてかつ理想的な体脂肪率は、17〜30%の間になります。
男性の場合には、体脂肪率の下限は5%まで追求することができます。ただし、水泳やマラソンといった長時間エネルギーを必要とするスポーツをする場合は別です。
エネルギーの貯蔵庫である脂肪がある程度カラダに付いていないと、体力がもちません。さらに水泳の場合は、体温の維持や浮力といった脂肪の恩恵を受けることができなくなってしまいます。
スポーツの種目によっては、体脂肪の減らしすぎは、ガス欠の車、浮袋のないサカナになるのと同じことで、むやみに脂肪を減らせばいいってものではありません。
男性の場合は、5〜20%の体脂肪率を維持するのを第一目標にし、スポーツをする場合はそれぞれの種目に適した体脂肪率を目標に頑張ってください。
私が推奨している体脂肪量。
| 種目 |
男子 |
女子 |
備考 |
| 陸上短距離 |
5% |
15% |
女子選手は担当トレーナーと相談してください。 |
| 陸上長距離 |
7% |
15% |
女子選手は担当トレーナーと相談してください。 |
| 水泳 競泳 |
9% |
21% |
|
| 水泳 シンクロ |
‐ |
23% |
|
筋肉量はどれくらいが・・・
残念ながら、骨格筋の量の目標数値は、体脂肪率のように明確にすることはできません。ただし、その割合は、最小で体重のほぼ40%、通常で約50%を占めるといわれています。
新原線維という極細の組織が寄り集まってできているのが筋線維。その筋線維がさらに何本も束になってできたものが筋肉になります。
ウェイトトレーニングなどで筋肉を鍛えると、筋線維の太さが増し、断面積が大きくなっていきます。それにより筋肉の重量が増します。 これを「筋肥大」といいます。
カラダがトレーニングによって腹筋が割れてきたり、大胸筋が盛り上がったり、ポパイの力こぶのようになってくるのも、みんなこの筋肥大の結果なのです。
では、筋肥大をどこまでも続けていくと、どのようになるか知っていますか?
筋肥大が続くと、多すぎる筋肉に血液を大量に送るようになり、心臓に負担がかかりやすくなります。さらに、発達しすぎた筋肉が血管を圧迫し、高血圧にもなりやすくなってしまいます。
「過ぎたるは、なお、及ばざるがごとし。」肥満体は糖尿病や高血圧の原因になっていますが、筋肉を付けすぎて高血圧になることもあります。脂肪と筋肉の効用と弊害を正しく理解して、バランスのとれたカラダをデザインすることが大切です。 |