水泳競技や陸上競技の場合、午前中に予選があり午後に決勝があるスポーツ(場合によっては同一日に多種目の競技に出場することがある。)では、予選競技で消耗した肝臓や筋肉のグリコーゲンを数時間で回復させ、決勝に備えなければなりません。
そこで、こういった場合の食事についてかなりの配慮が必要となります。なぜならば、通常筋肉グリコーゲンの回復には、しっかりした食事でも24〜48時間必要とするからです。
@レース終了後、いかに早く糖質・クエン酸を摂取するかがポイントです。
学校クラブOBの差し入れは、「蜂蜜漬けレモン」というものが以前は多くありました。私が競技者であったころは現在のようにゼリードリンクやエネルギードリンクがなく、もっぱらこういったものを食べさせていただきました。
栄養学なんか勉強もしていませんでしたが、「疲れを回復するためにビタミンCが重要である。」という程度のものでしたが、よく調べてみると間違いなく効果の期待できる内容のものでした。
肝臓や筋肉のエネルギーの材料となるグリコーゲンの基本的な栄養素・・・・・糖分・・・・・を、レモンやみかん、りんごなど酸味のある果物には有機質のクエン酸が多く含まれているものと同時に摂取すると、グリコーゲンの回復が著しく高くなります。
スポーツサプリメントとして人気のあるブドウ糖を中心にしたドリンクが人気がありますが、ブドウ糖自体グリコーゲンの直接的な原材料になりますが、レース後にこれだけを摂取しても、効果はあがりません。しかし、クエン酸と同時に摂取するとクエン酸効果(グリコーゲンの分解酵素ホスホフラクトキナーゼの分泌を阻害し、グリコーゲンの分解を抑制する働き)により、グリコーゲンが分解する進行中に回復させることよりも、グリコーゲンの分解を抑制しながらグリコーゲンを合成するほうが、回復が早くなるからです。
グリコーゲンの材料としては、ブドウ糖・砂糖・蜂蜜・果糖などの糖質が有効ですが、「ザバス・エナジータブ」が便利で使いやすいと思います。また、国際大会や合宿などで私がサポートしているチームの朝食では、オレンジジュースやグレープフルーツジュースを朝食やレース後に飲むように指導していますが、このメニューには糖分とクエン酸が多く含まれているので合理的であると思います。
ここまで、クエン酸のことを中心に説明したしましたが、ビタミンCも大切な栄養素です。ビタミンCは、レースに対するストレスをやわらげてくれたり、疲労回復を促進する働きもあります。レースからくるストレスは非常に強いものです。レースからくるストレスで消耗され、さらに激しいレースでカラダと精神はグタグタ状態になりますので、必ず、ビタミンCを多く含んだものを食べてください。
Aスタミナを付ける高炭水化物食が、グリコーゲンの回復を促進します。
レース後にグリコーゲンの材料となる糖質を摂取することが大切なことは理解いただけたと思います。さらに、重要なポイントとして、レース後の食事における炭水化物補給について検討していきます。
最新の研究で、レース後の炭水化物補給の材料はでんぷん(多糖類)とデキストリン(小糖類)で比較すると、デキストリンのほうが肝臓・筋肉のグリコーゲン回復力が高いことが判明しています。
レース後に有効なスポーツドリンクは、一般的に持久力を向上する為に炭水化物であるマルトデキストリンが含まれています。また、マルトデキストリンは他の形態をした炭水化物よりも体内吸収が優れていることが証明されています。ゆっくり遊離する炭水化物により、絶えず一定のエネルギーレベルを保持し、低血糖から生ずる意識の薄れを防止します。
世界的に有名なスポーツ栄養の研究者であるMichael
Colgan博士は、炭水化物を運動前、運動中、運動後に摂取することを勧めていますが、特に、彼は運動後の炭水化物の摂取の重要性を強調しています。
「あなたに合った炭水化物栄養を摂取する時、第一番目の目標とすべきことは、運動の終わりと次の運動の開始の間に筋肉グリコーゲンを最高のレベルに達成させることです。これを実践するするには、運動を終えた直後に炭水化物の摂取を開始することです。」
簡便な炭水化物ドリンクは、運動の終了直後に炭水化物を摂取する為の理想的ものです。 |